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ウェルビーイングを高める食事のヒント|働く主婦のための心と体の整え方

朝から夜まで、仕事も家事もがんばり続ける毎日。
「私の心と体、ちゃんと満たされてる?」と、ふと立ち止まりたくなる瞬間はありませんか?

「今日、自分のためにちゃんと食べたかな?」と見つめ直すことは、とても大切なことです。

最近は、そんな「自分をやさしく整える視点」として、「ウェルビーイングパフォーマンス(ウェルパ)」という考え方が注目されています。

今回は、がんばる毎日だからこそ食を通じて、少しだけ“自分にやさしくなる時間”を見つけるヒントをお届けします。

ウェルパとは?“がんばる”から“整える”へのシフト

「効率よく」「もっと上手に」と、毎日“がんばること”に追われてしまっていませんか。

ふと立ち止まったときに浮かぶ、「私、ちょっと疲れているかも」という小さなサインに、自分の心と体にやさしく寄り添うことはとても大切です。

ここでは、自分の感覚を大切にするという新しいモノサシである「ウェルビーイングパフォーマンス(ウェルパ)」についてと“食べる大切さ”について紹介します。

心と体が納得する「私だけの満足感」

「タイパ(タイムパフォーマンス)」「コスパ(コストパフォーマンス)」など“効率のよさ”が求められる今の時代に、私たちはつい「ちゃんとできたか」「無駄がなかったか」と外の基準で自分をはかりがちです。

でも本当に大切なのは、「今日の私、ちゃんと満たされていたかな?」と問いかけることかもしれません。

ウェルパとは、心と体がどれだけ満たされたかを自分の感覚で見つめる、新しいモノサシになります。

成果よりも、納得感。
効率よりも、安心感。

誰かに決められた評価ではなく「私の内側の声」に耳を傾ける生き方が、これからは大切になっていくのではないでしょうか。

「おいしい」と感じる時間が、心を整えてくれる
食事もまた、日々の中で「感じる力」を取り戻せる大切な時間です。

栄養バランスやカロリーももちろん大事です。
「おいしいな」「あたたかくてホッとする」という心を感じた瞬間こそが、私たちの今を整えていきます。

何を食べたかではなく「どう感じたか。」ということに心と体の満足感が得られるのではないでしょうか。
そうして「自分をやさしく整える視点」である「ウェルパ」は育まれていくのです。

忙しさに追われる中でつい後回しにしてしまう「自分の感覚」をほんの少しでも大切にできた日は、なんとなく自分にやさしくなれるのではないでしょうか。

食事は、わたしを取り戻す時間

毎日、誰かのために動き続けていると「私は今、どう感じているんだろう」とふと立ち止まりたくなることはありませんか。

そんなときこそ“おいしく食べる”という時間に立ち返ってみることは、心と体を整えるヒントになるのではないでしょうか。
ここからは、食事を通して、自分自身とやさしくつながる感覚について考えてみたいと思います。

食べることで、呼吸が整う

白湯をひとくち飲んで、体の内側がふわっとあたたまる。
湯気の立つスープをゆっくり味わうことやお気に入りのマグでお茶を飲だりすること。

そんな何気ない食事の時間に、肩の力がふっと抜ける瞬間があります。

食べることは、ただ栄養を摂るだけでなく、呼吸を整えるように心もゆるめてくれる行為です。
忙しさに追われがちな日々の中でもほんの数分でも静かに食べる時間を意識するだけで「私の感覚はここにある」と心と体が少しずつ落ち着く気がします。

いつもの食卓で呼吸をほんのわずか整えるだけで、特別な場所にすることができるのです。

自分のために、ひとつだけ丁寧に

毎日のごはんのすべてを丁寧にするのは、なかなか難しいものです。
でも、自分のためにひとつだけ心を込めるなら、意外とできるのかもしれません。

たとえば
・素手で握ったおにぎりをお皿にのせてゆっくり食べてみる。
・晩ごはんの味付けは、家族の好みではなく「自分の好き」をちょっと加えてみる。
・食後にチョコとハーブティーで「今日もお疲れ様」と声にだしてみる。

ささやかな行動が「今日の私は、自分を大切にできた」と感じることができます。
ひとつでも“ていねいな選択”があると、暮らしはゆっくり整えられるでしょう。

忙しい日々でも、ウェルパは見つかる

夕飯を作っていると「今日も、なんとなく一日が過ぎてしまったな」とふと気づくとつぶやいたりしたことありませんか。

でも思い返してください。

食事の時に 家族の「おいしいね」のひと言だったり、コーヒーをゆっくり飲めたささやかな瞬間に“うれしい”気持ち“ほっとする”気持ちはきっとあったはずです
日々、忙しくてもウェルパな気持ちを見つけているのではないでしょうか。

一日ひとつ、「私がよろこんだこと」を見つける

日々のささやかな出来事は、私の心と体を満す“ウェルパな時間”です。
忙しい毎日の中では、自分の気持ちにまで気を配るのはむずかしいことです。

それでも 一日の終わりに「今日の私、うれしかったことはなんだろう?」と問いかけてみるだけで 暮らしの景色が少しだけ違って見えてきます。

完璧じゃなくても、特別じゃなくてもいいのです。
“ちょっと嬉しかった”の積み重ねが、心を整える力になっていきます。

食を通じて“私を整える”習慣のヒント

ウェルパな暮らしは、特別なことをする必要はありません。
大切なのは、自分のために「ひとつだけ丁寧にする」気持ちです。

朝は、白湯を飲みながらゆっくり深呼吸をします。
昼は、ごはんの香りに「おいしそう」と思えたら、その気持ちを味わうのです。
夜は、香ばしいほうじ茶の湯気を感じながら、今日の自分をそっとねぎらいます。

日常の小さな選択が、“私を整える力”をそっと育ててくれます。

私らしさを取り戻す小さな工夫は、“丁寧をちょっとだけ”に行うのが大事なのです。

まとめ:わたしを整える、小さな“ひと口”から

忙しい毎日、 家族のこと、仕事のこと、自分のこと全部がんばる中で「私はちゃんと満たされているかな?」と感じる瞬間があっても、不思議ではありません。

でも、スープをゆっくり味わった時間や「おいしい」と思えたひと口が、今日の自分を整えてくれる“やさしいサイン”になっているのかもしれません。

自分を後回しにしないで、“いま感じていること”に少しだけ目を向けてみることが、ウェルパな暮らしの始まりです。まずは、今日の食卓からあなたらしい整え方を、無理なく丁寧に、見つけていきましょう。

s.naoe

保育園調理員の傍ら野菜ソムリエとして活動しています。
食に関する情報発信を行っていきますので、よろしくお願いいたします。